オフィスビル エントランスデザインは建物タイプで変わる、検討すべきポイントと進め方

「オフィスビル エントランスデザイン」と検索する方の多くは、これから移転先のビルを選ぶ、あるいは入居中のビルでエントランスを整えるにあたって、建物というレイヤーとどう向き合えばよいのかを知りたいのではないでしょうか。エントランスのデザインは、フロア内の受付だけでなく、ビル全体の共用ロビーや入退館管理、建物の規模やグレードとも密接に関わっており、自社ビルかテナントビルかによって工夫できる範囲は大きく変わります。この記事では、建物タイプによる自由度の違いから、ビルの規模別の考え方、セキュリティ、物件選定時に確認したいチェックポイントまでを整理してご紹介します。オフィス移転・内装・家具をワンストップで支援するJOY Worksがご案内します。

オフィスビルのエントランスデザインとは(建物全体との関わり方)

受付カウンターと来客対応のあるオフィスエントランス

オフィスビルのエントランスデザインとは、来客や社員が最初に通る受付まわりだけでなく、ビル1階の共用ロビーやエレベーターホール、建物正面のファサードまで含めた、建物全体の入口の空間デザインを指します。建物を訪れる人が最初に足を踏み入れるこの入口は、企業の「顔」として来訪者に与える第一印象を大きく左右する重要な要素です。多くのオフィスビルでは、建物そのものの共用部分と、企業が借りている、あるいは所有しているフロア内の専有部分という二層構造になっており、どこまで自社の裁量でデザインできるかは、この二層のどちらに手を入れるかによって変わってきます。単独のフロア内の受付だけを考えるのではなく、来訪者がビルに到着してから執務スペースにたどり着くまでの一連の動線を、建物単位で捉えることが、オフィスビルのエントランスデザインを検討するうえでの出発点になります。

自社ビル・テナントビルで変わるエントランスデザインの自由度

デザイン性の高いオフィスビルの外観とエントランス

エントランスデザインに着手できる範囲は、ビルを自社で所有しているか、テナントとして借りているかによって大きく異なります。まずは自社ビル・テナントビルそれぞれの特徴を押さえておきましょう。

自社ビル:外観からエントランス、共用部まで一貫して設計できる

自社ビルであれば、建物正面の外観やファサード、1階の共用ロビーから各フロアのエントランスまで、企業の裁量で一貫したコンセプトのもとに設計できます。コーポレートカラーやロゴを建物の正面から受付まで統一して取り入れることができ、来訪者に対して一貫したブランドイメージを最も直接的に、かつ効果的にアピールできる点が自社ビルならではの強みです。建物そのものが経営理念やビジョンを反映する象徴的な存在になり、自社商品や取り組みを紹介する展示スペースをロビーに設けるなど、建物全体をブランディングの舞台として企業の魅力を訴求できることも大きな魅力です。外壁や床の素材選びから、快適で清潔感のある開放的な、明るく温かい共用ロビーづくりまで一貫して手がけられる点も、本社機能を置く自社ビルならではのオリジナリティといえます。

テナントビル:共用ロビーと専有フロア受付の役割分担

複数の企業が入居するテナントビルでは、建物の共用ロビーやエレベーターホール、外観は建物のオーナー・管理会社の管轄にあり、テナント企業が自由に手を入れることは基本的にできません。そのため、自社らしさを表現できる範囲は、借りている専有フロア(事務所部分)内の受付やエントランスまわりに限られます。共用部分では建物のグレードやコンセプトに沿った、来訪者の気持ちが落ち着く空間が用意されている一方、専有部分に入った瞬間から企業らしいコーポレートカラーやサイン計画、デジタルサイネージを取り入れ、来訪者の印象を切り替えるという工夫が求められます。共用部と専有部、それぞれで何を表現できるかを整理しておくことが、テナントビルでのエントランスデザインの前提になります。

契約前に確認しておきたい管理規約・原状回復の条件

テナントビルでは、専有フロア内であっても、間仕切りの変更や壁面への造作、サインの設置などに管理規約上の制限がかかっている場合があります。またオフィス移転や退去の際には、入居前の状態に戻す原状回復の条件が契約で定められていることが一般的で、造作の規模によっては想定より費用や工期がかかることもあります。エントランスのデザインを具体的に検討する前に、管理規約や契約書で変更可能な範囲・手続き・原状回復の条件を確認しておくと、後から計画を見直す手間を防げます。

ビルの規模・グレード別に見るエントランス計画の違い

コーポレートカラーを取り入れたおしゃれなエントランスデザイン

ビルの規模やグレードによっても、エントランスに求められる考え方は変わります。代表的な2つのパターンを紹介します。

大規模オフィスビル(複数テナント・入館管理が二重構造)

大規模なオフィスビルは、上質で高級感のある洗練されたモダンな共用ロビーやセキュリティゲートが整備されている一方、テナント数が多い分、専有フロアの受付でどう自社らしさを打ち出すかが重要になります。ビル共用部の入館管理を通過したあと、さらに自社フロアの受付やICカードによる入退室管理を設ける二重構造になることが多く、来訪者の動線とゾーニング、パーティションによる視線のコントロールを意識したレイアウトが求められます。共用部のブランドイメージに頼りすぎず、専有部の受付カウンターやサイン、照明の演出で自社の個性を体現することがポイントです。

中小規模ビル・雑居ビル(限られた共用部を専有部側の工夫で補う)

中小規模のビルや雑居ビルでは、共用ロビーが簡素であったり、複数の異業種が同居していたりするケースも多く、建物の外観や共用部だけで企業イメージを伝えることは難しい場合があります。その分、専有フロアのエントランスに足を踏み入れた瞬間の印象づくりが重要になり、限られたスペースでも、木目調の内装やグリーンを取り入れて温かみのある雰囲気を演出したり、大きな窓からの自然光を生かしたりすることで、共用部の印象を上回る、他社にはない個性が際立つ、心地よく落ち着いた空間を創出できます。照明や内装の色使い一つで、明るい印象に変えることも、おしゃれで洗練された印象に変えることもできるのが、専有フロア側の工夫の面白さです。テナント区画の改装・リニューアルの自由度は物件ごとに異なるため、内見の段階で確認しておくと安心です。

セキュリティ・入退館管理の考え方

セキュリティに配慮したオフィスの会議室エリア

オフィスビルのエントランスは、来訪者を迎え入れる場であると同時に、社外の人が出入りする接点でもあるため、セキュリティへの配慮も欠かせません。ビル全体の入館管理(共連れ防止のフラッパーゲートや受付での入館証発行など)と、専有フロア内のICカードによる入退室管理という2段階でセキュリティ対策を考えるのが基本です。受付から先のエリアへの動線を分ける、会議室や商談スペースでの会話が来訪者に聞こえる範囲を最小限にとどめる、機密情報が見える資料やモニターの配置を来訪者から遠ざけるといった配慮も、建物単位の安全性・セキュリティ設計を強化するうえで検討しておきたいポイントです。こうした配慮の積み重ねは、来訪者に心理的な安心感をもたらし、信頼にもつながるだけでなく、日々そこで働く従業員が安心して過ごせる環境づくりにも直結します。タブレットを使った無人受付システムを導入する場合も、ビル側の入館管理の仕組みと連携できるかを事前に確認しておくとスムーズです。

物件選定の段階からエントランスを考えるチェックポイント

ワークスペースを意識したオフィス空間デザイン

オフィス移転を機にエントランスデザインを一新したい場合は、物件を選ぶ段階からいくつかの点を確認しておくと、入居後の計画がスムーズに進みます。共用ロビーや外観の意匠が自社の企業イメージと大きくかけ離れていないか、専有フロア内で受付まわりの間仕切りやサイン設置、使用できる建材や内装工事の範囲がどこまで認められているか、入館管理システムの仕様、来客用の駐車場や動線の確保、延床面積・坪数に対する適度な受付スペースの配分、内装工事に使える期間や予算の目安などが代表的な確認項目です。特にフリーアドレスやABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)の採用を検討している場合は、限られた専有スペースの中でエントランスとワークスペースの配分をどう振り分けるかも、来訪者・従業員双方の利便性を明確にしたうえで確認しておきたい視点です。物件探しの段階からデザインの視点を持ち込んでおくことで、契約後に「思っていたエントランスがつくれない」という課題を防ぎやすくなります。

オフィスビルのエントランスデザインを検討する進め方

デザイン会社との打ち合わせ・提案の様子

実際に検討を進める際は、まず自社ビル・テナントビルのどちらか、建物の規模やグレードを踏まえて共用部と専有部でそれぞれ何を表現できるかを明確に整理したうえで、レイアウト提案、内装の設計、家具・什器の選定という流れでデザイン性を高めながら進めるのが一般的です。デザイン・内装工事・家具の手配がそれぞれ別の業者に分かれると、建物の制約とのすり合わせに手間がかかりやすくなるため、物件選定やビルの管理規約の確認段階から一貫して相談できるソリューションを用意しておくと、アイデアをスムーズに形にしやすくなります。専有フロア内の受付そのものの考え方はオフィスのエントランスデザインが重要な理由と検討すべき5つのポイント、受付に必要な家具やレイアウトはオフィス受付のデザインで押さえたい役割・必要な家具・レイアウトの整え方で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。オフィスビル全体のデザインの考え方はオフィスビルデザインの考え方と、自社ビル・テナントビルで押さえておきたいポイントもあわせてご参照ください。

まとめ

内装工事の様子

オフィスビルのエントランスデザインは、フロア内の受付だけでなく、共用ロビーや入退館管理を含めた建物全体の入口空間として捉えることが出発点になります。自社ビルかテナントビルか、ビルの規模やグレードによって工夫できる自由度は異なりますが、共用部と専有部それぞれで何を表現できるかを整理し、セキュリティへの配慮や物件選定の段階からの確認を重ねることが、失敗しないエントランスデザインの進め方といえます。建物というレイヤーを踏まえたエントランスづくりは、来訪者に安心感を与えることができるだけでなく、日々そこで働く従業員の満足度や帰属意識、エンゲージメントを高めることにもつながり、企業価値の向上という効果も期待できます。自社の魅力を発信し、来訪者との新たなつながりが生まれるきっかけを促進する場として、物件選定の段階からエントランスデザインについて相談したい場合は、JOY Worksまでお気軽にご相談ください。オフィスデザインサービス施工事例もあわせてご覧いただけます。

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